NSK、世界初、超音波検査を応用した高精度な軸受寿命予測手法を開発

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Jan 08, 2024

NSK、世界初、超音波検査を応用した高精度な軸受寿命予測手法を開発

NSK sviluppa il primo metodo di previsione della vita altamente accurato al mondo

NSKは、超音波検査による鋼中の非金属介在物の統計データに基づいて、鋼製転がり軸受の寿命を高精度に予測する手法を世界で初めて開発しました。 非金属介在物は通常、転がり接触 (剥離) 疲労の原因となります。

日本精工株式会社は、鋼中の非金属介在物(不純物)の統計データ(大きさや量)に基づいて転がり軸受の寿命を高精度に予測する手法を世界で初めて開発しました。

この技術により、NSK軸受の基本動定格荷重の見直しが可能となり、お客様は高品質なNSK軸受の長寿命性能を最大限に活かした機械・車両の設計が可能になります。

NSKは、まずこの技術をベースにしたソリューションを一部の顧客に提案し、その後、標準軸受ラインナップの基本動定格荷重を大幅に改定していきます。

NSKベアリングは高品質の鋼材を使用しており、NSKの研究者や技術者が鉄鋼メーカーと緊密に連携して絶えず改良を重ねてきました。 その結果、NSKベアリングの実際の寿命は、ISO規格に基づいて計算されたベアリング寿命よりも大幅に長くなる傾向があります。

NSKベアリングの長寿命性能をお客様の機械設計に最大限に活かし、カーボンニュートラルを追求するためには、転がり疲労寿命を高精度に計算する技術が必要でした。

軸受の転動疲労寿命は、鋼中の非金属介在物のサイズと量に密接に関係しています。 鋼によっては、非金属介在物の量と分布は大きく異なります。 NSK独自のMicro-UT法※1により、従来法※2に比べて3,000倍の体積の鋼材を5分の1の時間で検査できます。 これにより、軸受鋼中の非金属介在物に関する信頼性の高い統計データを効率的に収集・分析することが可能となります。

NSKでは、非金属介在物解析に基づく軸受寿命計算法を導き出すため、転がり軸受軌道面に大小の非金属介在物を模擬した人工欠陥を導入する独自の回転試験方法を開発しました。

特定の破壊モードを意図通り再現することに成功し、さらに人工欠陥周囲の応力を再現・解析できるシミュレーション*3を構築し、剥離疲労のメカニズムをさらに解明しました。

これをもとに、鋼中の非金属介在物の大きさから転がり疲労寿命を算出する世界初※4の手法の開発に成功しました。

NSKのMicro-UT法による高精度な軸受寿命予測により、NSK軸受の長寿命性能を従来よりも正確に算出することが可能になりました。 この計算方法は、アプリケーションの寿命計算に使用される重要なパラメータである軸受の基本動定格荷重を改訂するために適用されます。 例えばラジアルころ軸受の場合、基本動定格荷重を見直して等価転がり疲労寿命を2倍にすることが可能です。

改訂された基本動定格荷重は、機械設計においてNSKベアリングの長寿命性能を活用したいお客様に新たな可能性をもたらします。 これにより、お客様の部品交換や機械のメンテナンス頻度の削減、機械やユニットの小型化が可能となり、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することが期待されます。 ノート

ソース:日本精工

日本精工